ローライト・低照度環境の高感度ノイズを除去できるNeat Video(ニートビデオ)の使い方

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Neat Video(ニートビデオ)という動画のノイズ除去ソフトがあります。映像の高感度ノイズなど取り除くことができます。ブロックノイズ(圧縮で発生する四角ノイズなど)、グレイン(粒子状のノイズなど)、ダスト(映像上にあるゴミなど)、スクラッチ(映像上にある傷など)などにも対応しています。プラグインタイプでAfter Effects、Premiere、Final Cut、Edius、AVX、OpenFX、VirtualDubに対応です。

さまざまなノイズ除去ソフトが発売されています。各動画編集ソフトにおいてもノイズ除去の機能があります。本当に使いやすいノイズ除去機能がなかなかなく、その中でもNeat Video(ニートビデオ)は定評のあるソフトです。安くて簡単で軽くエラーが少なく高品質と評判です。実際に使ってみると、その通りだと感じるでしょう。ニートビデオというと引き籠りの動画みたいな印象ですよね。

ローライト・低照度環境の場合には、静止画・スチール撮影であれば、シャッタースピードを遅くすれば、ISO感度を上げなくても撮影できます。ある程度発生する高感度ノイズをコントロールできます。動画の場合はシャッタースピードをどんなに遅くしても1/25秒程度までしか下げられません。できるだけ明るいF値で撮影するにしても限界があり、必然的にISO感度を上げる必要があり、高感度ノイズが増えます。暗めに撮影して暗部を上げても当然ノイズが出てきます。

 

Neat Video(ニートビデオ)の使い方

https://www.neatvideo.com からソフトをダウンロードできます。体験版もありますので、まずそれを試すのが良いでしょう。Paypalで決済できます。国内で代理販売業者もありますが、個人であれば海外サイトから直接購入が良いでしょう。そのほうが安いです。

各ソフトごとにライセンスが必要です。

Pro版とHome版がありますが、Home版はHD画質までです。今の時代にHD画質のみの制限は厳しいためProを購入しましょう。他には複数ソフト対応のセット販売などもあります。Premier版を購入しました。

インストールをするとPremierのフィルターにNeat Videoが登場します。

使い方は簡単でNeat Videoフィルターを映像にドロップすれば、エフェクトコントールに効果が追加されます。Sony α6300にて撮影した映像です。低照度に強いカメラですのでノイズは少なめですが、さらにノイズを取ってみます。ISO等の細かい設定はすっかり残っておりませんでした。。すいません。

エフェクトコントロールの四角ボタンをクリックすることでNeat Videoが起動します。

ノイズの発生がわかりやすく、できるだけ平坦な場所をマークします。Auto Profileで自動的に分析が進みます。

実は場所を選ばなくても、Auto Profileをクリックすれば自動で選択してくれます。そのほうがすごく高いクオリティスコアが出ます。

このクオリティが60以下の場合は、別の場所を探したほうが良いといわれていますが、このスコアがどの程度確かな指標となるか不明瞭です。

手動で大きなエリアを選択して分析したほうが、結果が良さそうなものですが、クオリティ数値が低く出てきました。実際にどの程度の相関性があるか確認してから使うのがよいでしょう。

Auto Profileで分析エリアをチェックしてクオリティの数値が良ければ、ノイズフィルターセッティングへ進みます。とても簡単です。

ノイズフィルターセッティングでは、フィルターの有無を指定したエリアでチェックできます。Radiusは、前後何フレームを分析するのか指定する項目です。多くすることでノイズ除去の性能があがります。最大で5フレームです。標準は2フレーム。確かにフレーム数を増やすとちょっとノイズ除去が良くなる気がします。処理にかかる時間は増えます。

細かいパラメータもあり、ノイズ除去の量などを調整できます。シャープネスを操作することもできます。シャープな映像にしたいときはチェックしてみましょう。

書き出し時間は、軽いといっても結構な時間がかかります。例えば10秒処理するのに数分みたいな感じです。1時間とか2時間など長い映像のノイズ除去は困難でしょう。

実際にこの程度のノイズが除去できました。下半分がNeatVideoで処理したものです。明らかにノイズが除去されています。それでいて、ガラスの模様などもしっかりとわかります。

 

次はSony α7R3 + FE 24-70mm にてF5.6、ISO6000、1/30にて、Slog2で撮影した映像です。レンズの性能がでるF5.6で撮影するには、ISO6000まで上げる必要がありノイズがちょっと発生しました。

LUTをあてて、Neat Noizeを適用させます。

例えば、後ろの赤い箱部分にノイズが出ています。

場所を選択してAuto Profileをクリックします。

高感度ノイズが少なくなっていることを確認できました。

壁紙の微細な凹凸が、ちょっとだけ消えています。いろいろ数値を変更したりすることで調整できますが、ノイズを取ろうとすればするほど、微細なディテールは失われる感じです。壁紙の模様もわかりつつノイズも消える設定にしました。

実際の動画がこちらです。前半はフィルタ無し、後半はフィルタ有りです。Youtubeに上げると違いが全くわかりません。変換も影響ありそうです。

元の動画素材を再生して拡大すれば、違いがちょっとわかる程度です。普通に再生する限り違いはほとんどわかりません。

 

元動画※Neat Videoなし

 

 

Neat Video(ニートビデオ)を実際に使ってみた評価

実際に使ってみた印象として、暗くノイジーな映像には効果があります。しかしノイズを除去する=何かしらの画像は劣化するということであり、シャープネスをかけたりいろいろな処理をするとしても、ノイズを取ることで犠牲になる部分少なくてもあると感じました。本当に少しですが。

ある程度の明るさがあり、ノイズも気にならない程度であれば、わざわざノイズ除去をかけるメリットは少ないように感じます。それでもノイズが気になる場合は撮影の時点で照明を工夫するなり、明るいレンズを使うなり元からノイズが少ない撮影方法を選択するのが良いでしょう。

暗くてノイズが酷く困ったというときに、簡単に使えるNeat Videoは素晴らしいプラグインです。グレイン(粒子状のノイズなど)、ダスト(映像上にあるゴミなど)、スクラッチ(映像上にある傷など)にも対応していることから、古いフィルム映像の調整にも使ってみたいものです。