使い方と機能の説明 X-Rite ColorChecker Passport Video(カラーチェッカーパスポート ビデオ)でグレーディング

  1. 4330 view

X-Rite ColorChecker Passport Video(カラーチェッカーパスポート ビデオ)の使い方を紹介します。動画にColorChecker Passport Video(カラーチェッカーパスポート ビデオ)を映しておくことで、動画のグレーディング(カラーグレーディング、カラーコレクション、カラコレ)をより簡単にそして正確にすることができます。もちろん撮影前のカラー調整にも使えます。

ビデオ撮影のワークフローに必須のアイテムです。実際に使ってみながら紹介します。X-Riteはモニターのキャリブレーションや、カラーバランスとコントロールツールなど映像関連のワークフローに役立つ製品を提供しているメーカーです。

ColorChecker Passport Video 4つのターゲット(機能)

ColorChecker Passport Video(カラーチェッカーパスポート ビデオ)は、手帳のように4枚で構成されています。主に4つのターゲット(機能)を持ちます。

1.フォーカスターゲット

中央に向かってゼブラ模様のフォーカスターゲットです。カメラのピーキング機能などを使ってチェックすると、ピントが合っている場合は、ピーキングの線が中央を中心にたくさん見えるため、フォーカスを簡単に調整できます。何気に便利。

2.ホワイトバランス ターゲット

カメラのホワイトバランスを調整に便利なホワイトバランスターゲットです。18%グレーよりちょっと明るいらしく、カメラ側のホワイトバランスを調整をするには理想的とのこと。カメラによって異なりますが、ホワイトバランスの設定機能に入ってターゲットを撮影することで調整できます。

3.グレースケールターゲット

白色ハイライト、40IREグレー、光沢ブラックの3枚で構成されているターゲットです。露出の最適な設定が可能です。適正露出は好みによる所も大きいのですが、白色ハイライトは輝度レベル90、40IREグレー(18%グレー)は輝度レベル40、光沢ブラックは輝度レベル3ぐらいに調整すれば、一つの露出の目安になります。

好みの問題やカメラの設定、光の角度によるところも大きいと考えています。適正ではなく標準露出の参考になるということなのでしょう。

ちなみに輝度(IRE)の表示方法ですが、Premiereの場合は、Lumetriスコープ上で右クリックして、波形-輝度でチェックできます。左側の数字がIRE(輝度レベル)です。

他には、PanasonicのGH5や外部モニター(SHOGUN等)を使えば、ウェーブフォームでリアルタイムに輝度を確認できます

中間グレー(18%グレー)は、人間の目で見た場合、ちょうど白と黒の中間(つまりグレー)に見えます。人の肌色なども中間グレーに近いため、中間グレーを合わせておけば、だいたい適切になるはずです。迷いやすい中間グレーの目安になるので便利です。

ゼブラを設定できるカメラであれば、それを基準にすることもできます。SONY α6300、α6500、一部α7シリーズなどでは、ゼブラの輝度レベルをカスタマイズできます。40に合わせれば、中間グレーのチェックに利用できます。

4.ビデオカラーチップターゲット

ホワイトバランスをより完璧に調整できます。肌色チップ×6個、グレーバランス×6個、ハイライト×3個とシャドー×3個(高光沢ブラックを含む)カラーチップ×6個で構成されるビデオカラーチップターゲットです。DaVinci Resolve、Final Cut Pro、3D LUTクリエイターで取り込むことで、自動的にホワイトバランスを高度に調整できます。

Adobe Premiereなどでもホワイトバランスツールで、グレーバランスの真ん中かちょっと明るめのほうを使うことで、ホワイトバランスの調整ができます。使い方の動画を貼り付けますので参考にどうぞ。

DaVinci ResolveでColorChecker Passport Videoを使う方法

Final Cut ProでColorChecker Passport Videoを使う方法

3D LUTクリエイターでColorChecker Passport Videoを使う方法

Sony α6300を使ってPremiereでグレーディングしてみましょう!

Sony α6300を使ってSlog2でColorChecker Passport Videoを利用した簡易グレーディングをPremiereでします。まず結果の画像を見比べてください。SonyのLUTを使って、グレースケールターゲットを利用して調整しています。グレースケールターゲットを利用したことで、肌色がしっかりと表現されています。ホワイトバランスツールを使ってホワイトバランスも調整しています。

元の映像

ColorChecker Passport Videoでグレーディングした映像

こちら作業の動画

もっと細かく調整したい人はこちらの動画も参考に

以上。さまざまなグレーディング用ソフトとも連携が可能なカラーパスポートチェッカービデオは、映像撮影には必須のツールといえます。撮影直前におまじないのように、カメラの前にかざすだけで安心感が違います。カメラのセッティングや調整にも最適なアイテムです。趣味でカメラを楽しむ場合にも、とても楽しいツールなのでお勧めの一品であります。

単体露出計も便利ですよ。

Slogを詳しく知りたい人はこちらのSlog特集も参考にどうぞ。