使い方:単体露出計スタジオデラックスⅢ L-398A ISO、アイリス、シャッタースピードの関係が直感的にわかる

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株式会社セコニック(SEKONIC CORPORATION)の単体露出計スタジオデラックスⅢ L-398Aの使い方を紹介します。 SEKONIC の露出計・カラーメーター・照度計は、12種類ぐらいあります。スタジオデラックスⅢ L-398Aは、そのなかでもアナログでレトロな単体露出計です。

SEKONIC 露出計 スタジオデラックスIII L-398A JG10
セコニック (2013-09-25)
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電池不要で動きます。プロのカメラマンでも愛用され、はじめて露出計を使う方にも仕組みが分かる最適なモデルです。 持って操作するだけで、それっぽく見えるメリットも大きいのです。 より多機能で本格的に使いたい方は、上位機種のデジタルタイプがお勧めです。

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カメラ内蔵露出計では、見ている一部の露出は合っていますが、全体では露出が適正ではないことがあります。カメラ内蔵露出計は、対象物から反射された光を元に露出を合わせるため(反射光式といいます)、全体では露出が合わなくなります。

単体露出計を使った入射光式なら、光源に対しての露出を測ることができるため、全体で適切な露出を設定することが可能です。適正露出は好みになるため、背景の一部が白飛びしても、カメラ内蔵露出計で合わせた映像が好きな人だっているはずです。しかしながら全体的に適切な露出になっていれば、RAWやLOG撮影において、色調の調整の幅が広がります。

メーカーの説明も引用します。とても分かりやすい!
https://www.sekonic.co.jp/product/meter/operate/operate.html

スタジオデラックスⅢ L-398AがあればISO、アイリス、シャッタースピードの設定を決めやすい

カメラが好きな人でもプロカメラマンではない限り、撮影した場所を一瞥しただけで、ISO、アイリス、シャッタースピードを適切に決めることは難しいはずです。多くの場合は、マニュアルにしてコチコチとダイヤルを変更しながら、カメラの画面のEV±を見たり、ヒストグラムをチェックして、まあこんなものだろうと決めていませんか。

カメラの画面を見て決めている以上は、その画面の一部のみ適切な設定になっているということです。カメラの向きをちょっとでも変更すれば、±が大きく変わってくるでしょう。そんなときにスタジオデラックスⅢ L-398Aがあれば、ISO、アイリス、シャッタースピードの設定を決めやすくなります。

実際にスタジオデラックスⅢ L-398Aを使ってみよう

明るい場所(昼間の屋外など)では、スライドを装着します。暗い場所(屋内など)では、スライドを取り外しますスライドは簡単に抜き差しできます。

次にカメラのISOを決めましょう。たいていは可能な限り小さいISOで撮影するはずです。ISO100で設定します。

入射光式は「撮影したい対象物」の前にスタジオデラックスⅢ L-398Aを位置してカメラへ向けて測定します。

あまり難しく考えずに、スタジオデラックスⅢ L-398Aを一番明るい光源に向けるだけでもOKです。一番明るい光源の照度を測れればシロトビは防げるはずです。

こんな感じに使います。

真ん中のボタンを押すと測定が開始されメモリが動きます。ボタンを離すとメモリが固定されます。40に止まりました。

一番上が測定値です。同じ数字を円盤の上部で合わせます。スライド無し(暗い場所)の場合は黒い▲マークで数字を合わせます。スライド有り(明るい場所)の場合は、赤い▲Hマークに数字を合わせます。スライド無しなので、黒い▲マークを40に合わせます。

円盤の一番下がF値です。その上がシャッタースピードになります。F値を5.6にした場合は、シャッタースピードが8になります。シャッタースピードが30ぐらい欲しい場合は、F値を2にする必要があります。明るいレンズが必要ですね。

F2のレンズは持っていないので、ISO800まで上げます。

F値5.6でもシャッタースピードが30になります。アナログな単体露出計を利用すれば、ISO、アイリス、シャッタースピードの関係が直感的にもわかりやすくなります。理解が深まるメリットも大きいです。

スタジオデラックスⅢ L-398Aを実際に使ってみよう

公園にてSIGMA Quattro Hでテスト撮影します。SIGMA Quattro Hのプレビューモニターは、品質が悪くモニターの見た目ではさっぱり状況がわかりません。そんな時にスタジオデラックスⅢ L-398Aです。

小さく見え難いのですが、カメラの露出計では、F8.0シャッター速度1/60です。

スタジオデラックスⅢ L-398Aで、ぽちっと測定します。明るい屋外なのでスライドは入ったままです。▲Hの値を測定値に合わせます。

F8の時は、シャッタースピードは、1/80~1/100ぐらいかなとなります。カメラが無くても、各種設定がおおよそ分かるのはうれしいですね。

カメラのシャッタースピードを1/80に変更します。カメラの露出計では-0.3です。

とこんな感じで使います。カメラの露出計と、単体露出計で合わせた写真の違いは・・・・・・・。ほとんど分からない。。。。-0.3しか変わらないので、そんなもんです。

カメラの露出計で撮影

スタジオデラックスⅢ L-398Aの露出設定で撮影

今度は地面でチェックしてみます。

カメラの露出計で撮影。元素材を拡大してみると、実はちょっと明る過ぎであることがわかります。

スタジオデラックスⅢ L-398Aの露出設定で撮影。カメラの露出計より1段も暗い設定です。明るい葉っぱまで、ほどよく、ばっちり撮影できています。

以上。単体露出計スタジオデラックスⅢ L-398Aがあると撮影がちょっと楽しくなります。カメラの露出計より少し暗めに撮影すれば、だいたい同じようなものですが、単体露出計を使っていると、とてもプロっぽく見えるからお勧めです。露出の理解を深めたい人にも最適なカメラ関連機材です。

カラーチェッカーパスポートも一緒に使うとより完璧です!