わずか1万円台!手軽に安く本格的に顕微鏡の映像を撮影できるCマウント顕微鏡撮影用イメージセンサーを実際に導入評価

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顕微鏡の映像をモニターに出力したい。観察している対象物を撮影したい。動画で記録したいと考えている人向けの記事です。大抵の場合、接眼レンズにカメラを近づければ、それなりに明瞭な映像が撮影できますので、それで済ませることが多いでしょう。

顕微鏡向けの静止画撮影や動画撮影システムは、さまざまな物が発売されています。病院向けの簡易的な装置では500万画素程度のもので、20~30万円以上で販売されています。解像度的にはHDクラス~FHD的なものです。20~30万円は高い!と思われるかもしれません。でも会社で事業として、設置に伺ったり、導入する病院の先生の話を聞いたりすることを考えれば、安いと感じます。

とはいえ、最近は中華電子部品はとても優秀です。自分で購入して設置すればわずか数万円で、500万画以上の性能を持つ1000万画素以上の顕微鏡撮影用センサーを導入できます。実際に実家の動物病院へ導入しましたので、そのレポートをお届けします。OLYMPUS BX50に激安顕微鏡撮影用センサーを導入しました。

今回購入したCマウント顕微鏡撮影用イメージセンサーは、Amazonで約15000円で販売されているCマウントカメラです。よく見かける量産タイプで、同じものが様々なブランド名で販売されています。中国の巨大なOEM工場で作られたもので、アチコチへ供給されているのでしょう。大量に作られているものなので、それなりに動作する見込みで購入しました。

Amazonでの販売業者は「HAYEAR」でした。中国からの出荷ですが、即日に出荷されて5日後に到着しました。非常に素早し!「HAYEAR」ブランドのカメラのようですし、「HAYEAR」の業者から買えば、とりあえず物は届くでしょう。

このカメラの性能は、14メガピクセルセンサーで静止画の解像度は4320×3240ピクセル、動画は1920×1080@30fpsです。モニターで見ることが前提ですから十分な性能といえるでしょう。ストレージはMicroSDカードを挿入できます。海外ではMicroSDカードをTFカードと記載することが多いです。

USBでパソコンと接続も可能です。AC電源で単体でも動作します。映像の出力はHDMIです。HDMI端子のあるモニターに接続できます。カメラの操作も簡単です。顕微鏡に装着して、本体裏面にある電源ボタンをONにすれば、映像がHDMIへ出力されます。メニュー画面もまあまあ分かりやすく日本語も選択できます。

リモコンも付属しますが、粗品みたいなリモコンです。むしろちゃんと動作したことに驚きました。

プレビュー確認用のモニターとして、同じく激安のIPS液晶モニターELECROW10.1インチを購入しました。1920×1080の解像度を持ちながら約14000円です。液晶画面はとても綺麗です。さすがIPS液晶という感じです。その他の質感は値段さながらで、安っぽい安っぽい感じです。コストを極限まで落とした外観です。液晶だけ綺麗という品です。映像の確認用なのでこれで十分でしょう。

顕微鏡は、主に生物顕微鏡か実体顕微鏡を使うことが多いと思います。生物顕微鏡は高倍率で細胞など薄い物体の観察に適しています。実体顕微鏡は低倍率ですが厚みのある立体的な物体の観察に適しています。

いずれの顕微鏡もある程度の価格になると撮影用直筒(カメラポート)が採用されています。直筒は大抵の場合はCマウントもしくはJIS鏡筒が使われているようです。JIS鏡筒でもCマウントに変換すれば良いでしょう。顕微鏡撮影用センサーも大抵はCマウントです。Cマウント同士であれば接続できます。

この激安中華のCマウント用イメージセンサーは(他も同様だと思いますが)、やっぱりセンサーがとても小さいので、接眼レンズから見る映像よりずいぶんとクロップ(拡大)されて表示されます。接眼レンズと同様の広い視野で見るには、35mmフルサイズぐらいの大きなセンサーが必要に感じます。

Cマウントはスクリューマウントなので回して固定します。そのため接眼レンズで見ている向きと、センサーの固定した向きが異なる問題が発生します。たぶんマウント部分のネジ等を調整すれば方向の問題を解決できるでしょう。六角を忘れて作業できずでした。

以上。HDMIモニターを自前で準備すれば約15000円で顕微鏡カメラを導入できます。まあ利用する顕微鏡によっても、マウントアダプターなど必要になるでしょうから、50000円ぐらいを見安にするのが良いでしょう。たぶんね。